<変わるものと変わらないもの>No.5

自然現象も人間関係も、変わるものと変わらないものがある。
西洋占星学の四大要素(エレメンツ)は「火」「地」「風」「水」である。人間関係において発生する主な要素、「義理」「信頼」「良識」「人情(情け)」を当てはめてみた。

「義理」は自分の「信条」によるところが強く「火」のサイン(牡羊座、獅子座、射手座)の領域である。「良識」は日本人特有のものもあり、コミュニケーションをスムーズにするところが多いので「風」のサイン(双子座、天秤座、水瓶座)の領域である。「情け」はもちろん情に厚い「水」のサイン(蟹座、蠍座、魚座)の領域である。そして「信頼」は実は一番物質的な「地」のサイン(牡牛座、乙女座、山羊座)の領域である。

立場や環境にもよるだろうが、「信頼」は一番時間をかけて築くものであるから、一番変わらないものであろう。「良識」のあるなしはある程度学べるし、「義理」「人情」も一生の間で関わる状態によって変化する。
だが、「信頼」は簡単には変化しないはずだ。「信頼」できるか否かは、価値観の違いや好き嫌い(好み)以前の問題である。「信頼関係」が崩れたときに「人間関係」も崩壊するのである。別名「裏切り」という。「義理」や「良識」を欠き、「情け」なき状況が積み重なって「信頼」を失っていくのである。

また、時間をかけて付き合うことができない場合は、「信頼」を何処で得られるのだろう?まずは、謙虚であることが一番大切なことではないだろうか…

好きな言葉の1つに「初心忘れるべからず」がある。まさにいくつになって経験を重ねても「謙虚さ」を忘れてはならないということに繋がる言葉である。
「感謝」の気持ちも大切である。当たり前のようになってしまったことに対しても感謝する気持ちを忘れずにありたい。「謙虚さ」と「感謝」の気持ちが少ない人物とは信頼関係を築いて行きにくいと思われる。

西洋占星学に話を戻そう。
「信頼」は「地」のサイン(牡牛座、乙女座、山羊座)の領域であると書いた。この3つの星座に主要な天体の配置があって調和されていれば信頼関係を築くのに問題の少ない人生であろう。(しかし西洋占星学で魂のレベルや色までは解らない)逆に不調和なら、信頼できない人物というのではなく、信頼関係を築くのに困難な状況が多い人生と読む。(しかし人生は自分の鏡でもあるのだが…)

また「土星」の別名は、ギリシャ神話の「クロノス」である。「クロノス」には農耕の神さまと時間の神さまの意味があるが土星はどちらの意味も有している。長きに渡って労働し築く「信頼」と土星は深い関わりがあり、困難を与える「土星」は「信頼」を築く天体なのである。

2007年9月3日頃、土星は乙女座入りした。以後約2年半、乙女座を運行する。
乙女座生まれを始めハードアスペクトを作る射手座、双子座、魚座に太陽や月などに主要な天体を持つ生まれの人は、困難な時期であると通常の西洋占星学は語る。
しかし、「謙虚さ」と「感謝」の気持ちを忘れずにいれば土星の到来は、本当の信頼関係を築ける機会なのである。それは人生において、「本物」の発見にも繋がるであろう。