12のサイン

現時点で歴史的にもっとも古いとされる文明は、紀元前8000〜7000年頃に農耕、文字、数学などを発展させたシュメール文明である。その後紀元前3000年頃のメソポタミア文明に至り、占星学の原型は天体を観測する未来予測の技術としてまたは学問として発展してきた。

1996年に話題となったグラハム・ハンコック氏の著書「神々の指紋」(翔泳社)ではエジプトのスフィンクスに見られる大雨の浸食が紀元前10000年以上も前のものだと衝撃を受けた。その頃春分点は獅子座で、春分の日の夜明けには獅子の顔を持つスフィンクスの眼差しには獅子座が上昇していたのかもしれない。

占星学にとって春分点は重要なポイントである。地球の歳差運動によって春分点はずれて行く。占星学に登場する黄道上の12のサイン(星座)を、約2160年かけて1つのサインの移動をする。有史以来、この歳差運動の発見は紀元前190年〜120年頃のギリシャの天文学者ヒッパルコスとされている。当時春分点は牡羊座にあったので、牡羊座は西洋占星学における1年の始まりの星座として現在も受け継がれている。

西洋占星学には牡羊座〜魚座までの黄道12の星座が登場する。また星座には神話があり、1930年に現在の88の星座に整理されたが、12星座における性格は神話からのスピリチュアリティも見逃せない。

古代シュメール人は60進法を発展させたが、1分は60秒(12×5)、1日は24時間(12×2)、1年は12ヶ月と時間の単位は12に支配されている。

12は、3×4、2×6、の2通りから構成される。

西洋占星学では、「4」は万物の状態を現し、エネルギー(火)、固体(地)、気体(風)、液体(水)の四要素(element)とし、「3」はこれらが推移する状態、「創造」(活動期)、「保守」(不動期)、「破壊」(変動期)、で三特質(quality)として現す。

これらが組み合わさることによって12種類の色分けになる。

また「2」は陰陽原理である「プラス」と「マイナス」、「男性」性と「女性」性の二面で、「6」は「3×2」の組み合わせによって創られる。

西洋占星学では私達を構成する要素を12に分類し、それらを星座に当てはめて性格付けをしている。新しい説で、エハン・デラヴィ氏の著書「太陽の暗号」(三五館)に、太陽の回転が人間の性格を決定すると紹介されている。1ヶ月ごとに起きるソーラエネルギーの変化が地球に生まれる私達のDNAに影響を及ぼしているとあり、12の星座との関連性があるのか非常に興味深い。

「四要素(element)」

火のサイン(牡羊座、獅子座、射手座)・・・精神性、情熱的、自己の信念を優先

地のサイン(牡牛座、乙女座、山羊座)・・・物質性、堅実的、現実の安定を優先

風のサイン(双子座、天秤座、水瓶座)・・・知性、論理的、客観的思考を優先

水のサイン(蟹座、蠍座、魚座)・・・情緒性、芸術的、主観的感性を優先

「三特質(quality)」

活動宮(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)・・・向上心、組織性、統率力、行動力、目的意識、先見性

不動宮(牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座)・・・安定感、着実、耐久性、「継続は力なり」

変動宮(双子座、乙女座、射手座、魚座)・・・適応力、変幻自在、融通、従順、反復性

「陰陽原理」

プラスサイン(牡羊座、双子座、獅子座、天秤座、射手座、水瓶座)・・・陽、男性的、積極的、能動的、未来、始め、外側

マイナスサイン(牡牛座、蟹座、乙女座、蠍座、山羊座、魚座)・・・陰、女性的、消極的、受動的、過去、終わり、内側