土星

<土星 Saturn>

土星のリングは有名だが、実は木星、天王星、海王星にもリングはある。しかし一番大きくて美しい土星のリングは、土星自身の護りであるとともに制限された境界の象徴である。土星は「制限」と「忍耐」を与える。この世の人生において制限を感じない人はいない。だが、制限を意識して克服していくからこそ、次の段階の視界が見えるのである。また土星は西洋占星学では最大の「試練」をもたらすとされているが、辛い状況に耐え、内省することで思慮深く哲学的になる。公転周期は約29.5年である。地球を中心に考える西洋占星学でサターンリターンといい、29才〜30才の頃に生まれたときと同じ(星座の)位置に土星が戻ってくることを言う。誰しも29才〜30才の時期に、土星の宿命的な制限ある状況を経験するとされる。だが土星の本来の年齢域は69才〜83才くらいまでである。肉体的にも精神的にも「老い」という「制限」を感じながらも、いかに中身の濃い人生を創れるのか土星は最後に問いかけているのである。土星は山羊座の守護星(ruler)である。山羊座は思慮深く制限ある状況によく耐える。しかし土星のリングに寿命があるように、制限は永遠ではない。制限から解き放たれた山羊座は、さらに上を目指す野心家である。また天秤座に土星があると結婚生活(配偶者)を通じて得るものが多い。配偶者との生活は当然のことであるが、結婚を通じて派生する人間関係は一種の制限でもあるからである。