<色即是空、空即是色>No.33

「般若心経(はんにゃしんきょう)」とは、『大乗仏教の空・般若思想を説いた経典の1つ』(wikipediaより)
日本では天台宗・真言宗・臨済宗・曹洞宗・浄土宗などで広く読まれているお経である。

般若心経に「色即是空、空即是色」という言葉が出てくる。
「色即是空、空即是色」(しきそくぜくう、くうそくぜしき)とは・・・
解りやすい編集サイトを見つけた。
http://www.bukkyo-kikaku.com/no_89_11.htm
以下は上記サイトの大藪正哉(1932年生)先生のお言葉を参考にさせていただいた。

「色即是空」とは・・・
すべてのものが網の目のようにお互いに関係しあって存在していて、単独に存在するものはない。すべてのものは根本的には一つである。
そして、一つ二つの一つではなく全部を一つと表現することを「空」という。
宇宙に存在するものはすべて目に見えないエネルギーのさまざまな表現形態である。
そのエネルギーが「空」であり、その「空」から生み出され、形に表れたものが「色」である。

「空即是色」とは・・・
今「色」としてこの世界に表れているあなたも、もとは「空」の世界にいたわけである。
死ねばまたもとの「空」の世界に帰っていく。決して無くなったわけではない。
「空」というのは、目に見えない常に変転してやまないエネルギーであるから、そこから再び「色」が生じる。「空」は必ず「色」というそれぞれ個別の様相を取ってこの世に表れる。もとは同じだが、現実に現れたものには、それぞれ区別である「色」がある。

「色」と「空」を日常の「衣食住」に考えてみよう。
今年流行りのチェック柄ニットをゲットした!明日着て行こう〜(衣)
今日のランチはパスタが食べたい!トマトソース味にしよう〜(食)
枕カバーをタオル地にして寝たほうが心地良さそうだな〜(住)
3次元物質世界を楽しく生きる「衣食住」である。
衣食住の「色」は個々に楽しむべき事柄である。
目的を達成した満足感、行きたい場所に行ける楽しさ、好きな人に会える喜び、
これらは「色」の世界に満ち溢れ、生命の躍動の基である。

一方「空」なる状態とは、強烈な感動はないが安定した調和と穏やかさになる。
ベージュの服が落ち着くので今日も着ていよう(衣)
ご飯と味噌汁に、平和な味を感じる(食)
眠くなったから、布団に入って、ほっとして寝入る(住)
毎日、何気なく過ごしている「衣食住」である。
「空」は気が付かないから「空」なのである。
この3次元物質世界も「空」なる世界に溶けているのである。

心騒がず、「空」なる状態で生きていることが「悟り」なのか・・・
今までで一番曖昧な「サイン」<聖と俗>の内容は、<空と色>に置きかえられるかもしれない。
「俗」なる状態が「色」で、「聖」なる状態が「空」・・・

「動いては静を思い、静になるとまた動く」という意味も、
「動」が「色」で、「静」が「空」・・・

この3次元物質世界では、「色」と「空」を行ったりきたりできることが究極の自由なのかもしれない。
「色」は個別に発しているので「個性」があり、「自我」であり、「自己」でもある。
「空」は全体なので、「個性」は希薄になっていき「自我」はなくなり「自己」も浸透している。

「色」にて、「恋」をしているときは、悩み、喜び、変化し、感動す。
「色」にて、「恋」をしていないときは、悩み、考え、寂しいと思ふ。

「空」にて、「恋」をしているときは、「欲さずして欲し、求めずして求む、意図して意図せず」
「空」にて、「恋」をしていないときは、ただただ、「愛」を発するのみ!

我が心、「空」なれば何の悩みもなし、
わが肉体(からだ)「色」あれば、この世はただ楽し・・・
心の「空」は、限りなく自由にて、
肉体(からだ)の「色」を、限りある流転に捧ぐ・・・