<シャスタにて スウェットロッジ>No.38

マーサ先生とTちゃんが仕事の最中、私とWさんは「シャスタ銀座」をぷらぷらしていた。
パワーストーンの店が立ち並ぶ中、「Mt.Shasta Herb&Health」
http://www.mtshastaherbandhealth.com
という店に入った。
Wさんが、「シャスタクラブ」のトイレやバスルームに飾ってあるハート型のガラスで出来た置物が欲しいと探していたのだ。ヒデさんから、この店で購入したと聞いて店内を探すが見当たらない。
しかし次の瞬間、Wさんと私は同時に、ケースの中に入った「レーザーワンド」と呼ばれる形の水晶に目を奪われた。
オーナーと思しき女性がやってきて、ケースの鍵を開けて見せてくれた。
Wさんは細めで形の綺麗な透明のレーザーワンドが気になるようだが、私は、太くて少々にごっているが、虹がたくさん見えるレーザーワンドが欲しくなった。

即刻、お買い上げで、レジでニコニコしていると、オーナーと思しき女性とレジ前にいる女性が顔立ちが似ていることに気が付いた。二人とも綺麗な白人である。
Wさんが「ユーアー シスターズ?」と聞くと、「ノー、シーズ ドーター」とオーナーと思しき女性が答えた。二人は親子であったのだ。

「シャスタクラブに泊っているでしょ、」「明日の昼、来るでしょ?」(英語で、意味は解る)
と言ったので、「えー! トモロー!スウェットロッジ!」と答えた。
実は、ダイアンさんから「オーガニックフード」のパティーに招待されたように、別なとき、もう1本の電話が「シャスタクラブ」に入っていた。
リリアンさんとリンダさん親子が主催するスウェットロッジに招待されていたのだ。
この店はスウェットロッジ(Sweat Lodge)を招待してくれた二人の店だったのである。

スウェットロッジとは、ネイティブアメリカンの儀式のようなもので、テントを張った中で、焼けた石(普通の石だと割れてしまうので溶岩を使用する)をたくさんくべて、一気に水をかけ、水蒸気を浴びてサウナ状態にした中に居続けるのだ。
テントの中は昼間でも真っ暗になり、子宮の中にいる状態に似ているとも言われる。
そして、テントの中で「願望」を発すると必ず具現化するのだそうだ。
だが、それまでのスウェットロッジは男性的であり、女性は入れてもらえなかったり、熱い中一種、我慢比べのような辛いものであったりしたそうである。

「明日はサンクスギビングデー(感謝祭)だし、新月だからまたとない良い日なの」
「スウェットロッジのテントは新しくしたばかりだし、明日は新しいことを始めるの」
今回のスウェットロッジはリリアンさんリンダさん親子が主催する「女性」のための優しいもので、全く新しく始めた初めてのものだった。
そんな貴重なスウェットロッジに私たちは招待されていたのである。

次の日、リリアンさん、リンダさん親子が住むシャスタのご自宅に向かった。
二人のお庭には、立派なテントが設えられていた。
参加者は、日本からの私たち4人と高原操さん、Nさん、Kさん、そしてヒーラーのNちゃん、シャスタクラブに泊っている8人の日本人女性だけである。
高原操さんはプロのガイドであるのに、ご一緒できたことにより、通訳を(もちろん、無料で)してくれた。

上着を脱いで、Tシャツに楽ちんなパンツ姿になった。
テントの前に、鷲(鷹?)の翼で囲まれた直径50〜60センチくらいのサークルが地面にできている。
テントに入る前に、このサークルの中に「大切なものを入れて下さい」と言われた。
私は昨日、二人のお店「Mt.Shasta Herb&Health」で購入したレーザーワンド形の水晶に、自分でデザインした水晶のブレスレットを巻きつけて置いた。

テントの中は、暗く神秘的だった。
溶岩の石がくべられていく。
薔薇の花びらや、月桂樹の葉、ハーブのパウダーが、溶岩の上に散らされた。
月桂樹の葉が焼かれて美味しい匂いがする。
焼けていくときに、溶岩の上で、ちりちりと光を放って、まるで小宇宙のようだ。
線香花火にも見える。
一気に水をかけると、焼けていない花びらが、勢いで飛ぶ。
リンダさんが歌い出した。
英語の歌で、太陽、月、海、自然に感謝している歌のようだ。
そして、ネイティブアメリカンの言葉で、最後に必ず「アッホー!」と言う。

この「アッホー」は素晴らしい。日本語の「アホ」と同じ発音だ。
「バカ」ではない「アホ」である。
私はこのとき、タロットの0番「FOOL」のカードを思い浮かべた。
フールは「愚者」と訳されるが、「アホ」のカードである。
番号は0番であり、全く、ゼロになって新境地を開く意味を持つ。
このテントの中で、私は「アホ」になって、生まれ変わるのだ。
知識や概念は捨ててしまって、ゼロ(空)になるのだ。

一人ずつ、願望を述べていった。
言葉に発する人もいれば、心で思う人もいた。
真っ暗な中、自分の願いごとを言い終えると、隣の人の肩に触れて合図した。

リリアンさん、リンダさん、そして焼けた溶岩や重い水を運んでくれていた体格の良い白人男性も一緒にテントの中に入った。
彼らに、日本の歌を歌ってほしいと言われて、私たちは「富士山」を歌った。
「あ〜たまを雲の上に出〜し、地方のや〜まを見〜降ろして〜・・・」
シャスタに住む人は、マウントシャスタと富士山が相似形のように似ていることを知っているし、富士山のこともとても愛しているのである。
操さんが、歌詞の内容を後から少し、英語で説明していたが、日本語は全く解らないであろうに、とても喜んでくれた。

溶岩をくべて、約15分〜20分は熱いテントの中で・・・
そして外に出てちょっと休憩・・・
そのセッションを4回繰り返した。
最後は、溶岩の量がたくさんで一番熱かった。
大量に汗をかいた。
汗とともに、また私のネガティブなものが抜けて、細胞が生まれ変わった。

この素晴らしい体験をくれたすべてに、感謝します。