<男と女 人として>No.67

結婚して家庭に入り、子供も産んでいる女性をちょっと前の流行語で「勝ち犬」と呼んだ。
それに対して結婚していない(できない)、結婚していても子供を産んでいない(産めない)女性を「負け犬」と意地悪く呼んだ。
さらにある女性週刊誌では、結婚して子供を産まないまま仕事に生きて離婚する女性を「逃げ犬」とネーミングしていた。女の道から逃げたということか・・・

女の道の「勝ち犬」になった女性はそこで終わりかというと、もちろんそうではない。
女としては「勝ち」の人生を手に入れたがここから「人」としての本当の人生が始まる。
パートやバイトであっても仕事を持つ。
趣味であっても勉強や習い事をする。
地域のボランティア活動に参加する。
子育てを通じて、PTAなど学校関係に協力する。
正規の仕事を持っていなくても社会と関わり社会貢献できる機会はいくつもある。
身内に問題がある場合、そうそう社会に出ていけないが、抱えている問題をどう解決するか、向き合うことで「人」としての真価が問われる。
「人」として何ができるか…

「私は何ができるでしょうか?」
子供を2人産んで幸せに暮らしている主婦の方が思いつめて私に質問する…
「子供にもう少し手がかからなくなったら、何か考えたいのです」
そう願っている向上意識が必ずや、彼女に合った何かを見つけることだろう。

しかし「人」として生きる道において、一番の罠(トラップ)は「男と女」の中にこそある。通称それは「色恋事」(色恋沙汰)と呼ばれるが、ずばり「恋愛」のことである。
「恋愛」しないとツインソウルに出会えないが、「恋愛」はもっとも「人」として道を外す人生の甘い罠でもあるのだ。
特に男性は危険な恋愛で社会性を落とすこともある。不倫相手に訴えられて会社人事の知るところとなり、出世を逃してしまう場合もあるからだ。

この世は「恋愛」の欲求に満ちている。
結婚していない場合は「恋愛」の自由が約束されているが、結婚している場合は公的には自由ではない。それでも「人」は「恋愛」したい。夫をツインソウルと思えなければ、なおさらである。

平和な結婚生活を送るあなたにある日、魅力的な異性が現れました。どう対処しますか?
婚約者がいるのに、あなたに振り向いてきました。どう対処しますか?奪いますか?
まだ結婚しているのに、あなたと暮らしたいといいます。どう対処しますか?
付き合っている人がいるのに、あなたとも付き合いたいと言います。どう対処しますか?

上記の例は微妙に違うが、どれも好きな相手が自分を好きだと言ってくれている問題ありの例で、これらを「色恋沙汰」という。
「男と女」の相思相愛の誘惑は、「人」として生きる道を考えさせられる。
これらは「善」と「悪」の問題ではないが、「正」と「誤」の問題であり、「カルマ」の問題にもなってくる。もし上記の相思相愛の恋愛の選択が「正」であったとしたら、それはそのまま「次元」の問題になってくるのだが、その人がその次元で「色恋」を楽しむことは自由である。

なぜ、「色恋」というのだろうか…
<サイン>No.33に「色即是空、空即是色」のことを書いた。
「人」には持って生まれた個別の「色」がある。
「色」の世界が1次元〜6次元とすると「空」の世界は7次元〜12次元。
「色」と「空」が大きく対極になっているのだ。

「恋愛」は「色」のある世界でしか起きない。
「色」の世界は楽しいし、芸術的であるとも言える。
そして「恋愛」の中で最も次元の低いものを「色恋沙汰」というのである。
「色恋沙汰」で悩むことも人生であり、私たちに与えられた選択の自由であるから、それを選ぼうと勝手だが、次元は確実に下がるのである。
「恋愛」してきて思うことは、「ツインソウル」じゃないと解っていても好きなときは、気持ちをコントロールするのは難しくなかなか止められない。
ある意味、「恋愛」は感情をコントロールする修行である。

西洋占星学で女性の場合、生まれた時の金星や月の位置が豊穣サイン(牡牛座、蟹座、蠍座、魚座)にあってアフリクトされていると「人」としてより、ひたすら「女」としての道を選び、ダメ男を愛し続けてしまう危険性になる。男性の場合は、仕事(社会性)より色恋を選んで失脚してしまう危険性となる。
また逆に月や金星がアクシデンタルディグニティ(主張の強い形)でアフリクトされていると我が物顔で当たり前のように恋愛に突っ走る。
これらも「カルマ」だとしたら、やはり生まれた時から次元の低い問題(色恋)をクリアしないとならないと示されているのだろう。

「色恋沙汰」は、次元を下げてカルマを作ってしまう。
その恋愛が「正」もので「色恋沙汰」と呼ばれるものでないか、今一度よく考えてみよう。
感情をコントロールできたら確実にステージ(次元)は上がる。
シングルの人なら最高のツインソウルへの道がまた一歩、開けるのである。
だが、配偶者がツインソウルでない場合、訪れた「恋愛」のチャンス(誘惑)を必ずしも退けることが「正」とも言えないのが人生であるのだが…「色恋沙汰」の危険をはらんでいるのは確かだ。
どう対処するかで、「女」としての道、「人」としての道が問われるだろう。