<千本釈迦堂 大報恩寺へ 京都旅行09>No.195

京都旅行の最終日、引き続き個人タクシーTさんの
案内で、東山から千本に向かいました。
前述の東山「即成院」では、来迎図に登場する阿弥陀如来さまと
25菩薩さまの迫力に感動し、これまでTさんお勧めで連れて行って貰った
奈良「東大寺四月堂」「新薬師寺」「唐招提寺」
に続いてもうこれ以上、新たな感動があるのだろうかと思いきや、
千本釈迦堂「大報恩寺」でさらに仏教の世界の深さを肌で感じることになりました。

「大報恩寺」はまず、建物そのものが国宝でした。

千本釈迦堂大報恩寺は今から780余年前、
鎌倉初期安貞元年(1227)義空上人によって開創された寺である。
本堂は創設時そのままのものであり、
応仁・文明の乱にも両陣営から手厚き保護をうけ、
奇跡的にも災火をまぬがれた京洛最古の建造物として国宝に指定されている

話しは飛びますが私が敬愛する日本の物理学者、故神坂新太郎先生は、
「お釈迦さまは優れた物理学者だったのです。
「悟る」ということは宇宙がどういうものかを理解することなのです」
と生前、話されてます。
仏教(密教)に登場する仏尊とは高次の宇宙存在ですが、
神社に鎮座する神さまと呼ばれる存在とは
働き(宇宙法則における役割)が違うようです。
宗教と科学にはいつも接点があってそれは今も昔も変わりなく、
偉大な科学者ほど「神」を信じて「神」も宇宙の法則として捉えているようです。

下記はアセンションシリーズ<アセンション 宗教と科学>No.184
https://nakagawaayuki.com/?p=1861

お釈迦さまが万人に説いた仏法(大乗仏教)から
発展し秘教的要素が強いものが密教です。
日本における真言宗、天台宗は密教的要素が強いものです。
「即成院」でご紹介したのは阿弥陀如来さまでした。
浄土真宗では、阿弥陀如来さまが脇侍の聖観音さまと
大勢至菩薩とともに救ってくださいますが、
密教系(真言宗、天台宗)では、六種の観音さまが
それぞれの世界(六道)を担当していて救ってくださるというものです。

大報恩寺の大きな御堂に六体の観音像「六観音」が並んでいます。
「大報恩寺」のユーチューブを見つけたのでリンクしました。
http://www.youtube.com/watch?v=1a2KJSXkT4s

六観音さまとは、、(Wikipediaより)


真言系では聖観音、十一面観音、千手観音、
馬頭観音、如意輪観音、准胝観音を六観音と称し、
天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。
六観音は六道輪廻(ろくどうりんね、あらゆる生命は
6種の世界に生まれ変わりを繰り返すとする)
の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を
救うという考えから生まれたもので、

地獄道-聖観音、
餓鬼道-千手観音、
畜生道-馬頭観音、
修羅道-十一面観音、
人道-准胝観音、
天道-如意輪観音

という組み合わせになっている。


(大報恩寺、六観音(真言系))

聖観音菩薩…「地獄道」

梵名アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ。
大慈の観音として、六観音の役割では地獄道を化益するという。
もともとは「正法妙如来(しょうほうみょうにょらい)」という仏であったが、
衆生の救済のため人間界に近い菩薩の身となった。

千手観音菩薩…「餓鬼道」

梵名サハスラブジャ・アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ。
「十一面千手観音」、「千手千眼(せんげん)観音」「十一面千手千眼観音」、
「千手千臂(せんぴ)観音)」など様々な呼び方がある。
「千手千眼」の名は、千本の手のそれぞれの掌に
一眼をもつとされることから来ている。
千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、
観音の慈悲と力の広大さを表している。

馬頭観音菩薩…「畜生道」

梵名ハヤグリーヴァ。「馬の首」の意である。
観音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり観音としては珍しい忿怒の姿をとる。
梵名のハヤグリーヴァ(音写:何耶掲梨婆)は「馬の首」の意である。
他の観音が女性的で穏やかな表情で表されるのに対し、
馬頭観音のみは目尻を吊り上げ、怒髪天を衝き、
牙を剥き出した忿怒(ふんぬ)相である。
このため、「馬頭明王」とも称し、菩薩部ではなく
明王(みょうおう)部に分類されることもある。
また「馬頭」という名称から、民間信仰では馬の守護仏としても祀られる。
さらに、馬のみならずあらゆる畜生類を救う観音である。

十一面観音菩薩…「修羅道」

梵名エーカダシャ・ムカ。「11の顔」の意である。
観音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり、
本体の顔以外に10または11の顔を持つ菩薩である。
頭上の11面のうち、前後左右の10面は菩薩修行の階位である十地を表し、
最上部の仏面は仏果を表すとされるが、これは衆生の十一品類の無明煩悩を断ち、
仏果を開かしめる功徳を表すとされる。
十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経によれば、
10種類の現世での利益(十種勝利)と
4種類の来世での果報(四種功徳)をもたらすと言われる。

准胝観音菩薩…「人間道」

梵名チュンディー。
「准胝観音菩薩」「准胝観世音菩薩」「准胝仏母」
「天人丈夫観音」などさまざまな呼称がある。
異称のひとつ七倶胝仏母(サプタコーティブッダ・マートリ)とは
「七千万の仏の母」という意味で、この仏母(これは女性名詞である)が、
人を悟りに導いて数限りない仏を誕生させる宇宙の神性の擬人化であることを示す。
心の働きを清浄にするほとけであり、
「仏の母」という名から、安産、子授けの功徳もあるとされている。
真言宗小野流などでは観音に分類され准胝観音である。
一方、天台宗系では「准胝仏母」と呼称。
准胝仏母は仏眼仏母などと同じ仏母尊とされ、
菩薩部(観音もここに分類される)でなく如来部に分類する。
天台系では准胝を観音とは認めないため、
代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。
また准胝観音と不空羂索観音を共に数えて七観音とする場合もある。
その像容は一面三眼十八臂とするものが多い。
手の本数が多いことから千手観音と混同される場合もある。

如意輪観音…「天道」

梵名チンターマニチャクラ。
観音菩薩の変化身(へんげしん)のの1つであり、六観音の一尊に数えられる。
日本では「如意輪観音菩薩」「如意輪観世音菩薩」
「大梵深遠観音」などさまざまな呼び方があるが、
重要文化財等の指定名称は「如意輪観音」となっている。
また「救世菩薩」とも呼ばれる。
如意とは如意宝珠(チンターマニ)、輪とは法輪(チャクラ)の略で、
如意宝珠の三昧(定)に住して意のままに説法し、六道の衆生の苦を抜き、
世間・出世間の利益を与えることを本意とする。
如意宝珠とは全ての願いを叶えるものであり、
法輪は元来古代インドの武器であったチャクラムが
転じて煩悩を破壊する仏法の象徴となったものである。
六観音の役割では天上界を摂化するという。

如意輪観音像は原則として全て坐像または半跏像で立像はまず見かけない。
中宮寺の本尊像は右脚を左膝に乗せ(半跏)、
右手を頬に当てて考えるポーズを取る(思惟)典型的な半跏思惟像である。
この像は古来如意輪観音像と称されているが、
造像当初の尊名は明らかでなく、
弥勒菩薩像として造られた可能性が高い。

聖観音菩薩さま、阿弥陀如来さまの脇侍のお一人ですが、
六道においては一番下の「地獄」を担当されています。

写真は、もう10年以上使っている観音さまを表わす梵字「SA」です。
私は聖観音さまとご縁が深いので大切にいつも鍵に付けています。
(ブログをお読みの皆さまも本人が知らないだけで観音さまとご縁があって
助けられている方も、たくさんいらっしゃるのです。)

「地獄」というとぎょっとなる絵図を思い浮かべる方もいるでしょうが、
「地獄」とはマイナスの想念に捕らわれて抜けだせない世界です。
それは生きているときも死んでしまった後も同じですが、
生きているときは(肉体があれば)やり直しがしやすいのです。
でも肉体を失ってしまうとやり直しが難しいのです。
私たちは肉体があることで気持ちの切り替えも実はしやすいからです。
肉体を失ってしまうと美味しいものを食べてほっとしたり、
音楽を聴いて和んだりはもう出来ないのです。
そんな霊魂たちを聖観音さまの「大慈悲」がお救いくださるのです。

聖観世音菩薩さまの一霊四魂の弥益々のご開運をお祈り申し上げます。

「オン アロリキャ ソワカ」(聖観世音菩薩さまご真言)

千手観音菩薩さまの一霊四魂の弥益々のご開運をお祈り申し上げます。

「オン バザラ ダラマ キリク ソワカ」(千手観音さまご真言)

ちょっと昔のお話です。
私は若いころ飼っていた犬がいました。
以下は愛犬「わん太」のことを書いたブログです。
<星になったチロとわん太>No.123 2011.2.1
https://nakagawaayuki.com/?p=1066

わん太は、肝臓、腎臓が悪くおそらく「がん」だったでしょう。
最後の1週間は何も食べられなくなりました。
そして最後の3日間は歩けなくなり、14年半の命を私の枕元で終えました。

わん太は、息が苦しそうです。
もう寝がえりも打てないので、私は向きを変えて寝返り打たせていました。
しかし、わん太は西方を向きたがりました。
何度も向きを変えることを止めて西を向かせたまま私も眠りました。
明方、とても安らかな顔で眠っているように息を引き取っていました。
当時、ご縁あった霊能者の友人から電話がかかってきました。

「わん太ちゃん、馬頭観音さまに抱かれて上がって行ったわよ」

まだわん太が亡くなったという前に彼女は教えてくました。
私はそのとき、動物を救う観音さまがいることを初めて知りました。
気が付くと、当時住んでいた家から西には大きな観音像のあるお寺がありました。

馬頭観音さまの一霊四魂の弥益々のご開運をお祈り申し上げます。

「オン アミリト ドハンバ ウム ハッタ」(馬頭観音さまご真言)

十一面観世音菩薩さまの一霊四魂の弥益々のご開運をお祈り申し上げます。

「オン ロケイ ジンバラ キリク ソワカ」(十一面観世音さまご真言)

准胝観音菩薩さまの一霊四魂の弥益々のご開運をお祈り申し上げます。

「オン シャレイ レイ(シャ) シエンテイ ソワカ」(准胝観音菩薩さまご真言)

さて、ちょっと謎の如意輪観世音菩薩さまのご真言は、前々回の「中宮寺」のブログで、
如意輪観音さまのご真言は救世観音さまと同じであったと紹介しましたが、
調べてみるとも1つありました。

如意輪観世音菩薩さまの一霊四魂の弥益々のご開運をお祈り申し上げます。

「オン バラダ ハンドメイ ウン」(如意輪観音さま、救世観世音菩薩さま共通ご真言)

「オン ハンドマ シンダマニ ジンバラ ソワカ」(如意輪観音さまご真言)

如意輪観音さまは「人道」の上の世界、「天道」のご担当です。
「人」より上の「存在」に生まれ変わってもまだまだ救いが必要ということです。
宇宙の法則に基づき、神仏も成長しているということです。
私たちの御霊も気の遠くなるような時間を経て、
成長できれば観音さまになれるのかもしれません。

(大報恩寺、如意輪観音像)