<女心と秋の空>No.10

通常の女性なら、誰でも皆「女心」を持っている。女性として生まれたときからDNAに組み込まれている不可思議な要素「女心」は、特定の男性に反応し、愛することを仕事のように全うしようする。女性は愛する男性がいると、自分がどんなに忙しいときでも決して忘れない。しかし男性は自分の仕事が忙しいと例え愛する女性がいてもすっかり忘れてしまう。元彼の言葉を借りてみよう。

「男性と女性の生物学的大きな違いは、子供を生めるか否かである。男と女の間の立場において、昔から男は常に戦い、立場を向上させなければならないピンきりの世界にいるのに対し、女は子供を産めるというだけで一定の優位な立場を保ってきた。極上の立場の男(殿)は何でも(何人もの女性でも)手に入るが、最下位の男は石ころ同然(雑兵)なのだ(女性を手に入れられない)。だから必死で立場を築かなくてはならない(仕事しなくてはならない!)」と・・・
でも、それは男達の勝手な意識であり、石ころ同然の男でも、愛する女はいつの時代にもいるのである。

西洋占星学のサイン(星座)の分類に不毛サイン(別名:不妊サイン)と豊穣サイン(別名:多産サイン)という区別がある。その意味は名の如く、「不妊サイン」は、結婚がしにくいし子宝にも恵まれにくいとされ、「多産サイン」は、充実した結婚もしやすいし子宝にも恵まれるというものである。以下は、「不妊サイン」「多産サイン」ではなくて、「不毛サイン」「豊穣サイン」の名で話を進めていくことにする。

統計学的西洋占星学では、双子座、獅子座、乙女座が、不毛サインであり、お羊座も不毛サインと同じ作用を起こすとされている。蟹座、蠍座、魚座が、豊穣サインであり、お牛座も豊穣サインと同じ作用を起こすとされている。それぞれ4つずつあり、上記以外のものは、どちらにも属さない。
さて、ここで不毛サインを思い当たる人は「結婚ができない!」などと、ショックにならないで欲しい。不毛サインでも結婚している人はたくさんいるし、豊穣サインでも独身のままの人もいる。西洋占星学の統計学はそんなに単純なものではないのでご安心を…

だが、主要な性格を占める太陽と月、そして恋愛にはかかせない金星と火星の4つの天体が不毛サインに多いと、「女心の欠如」、または「女心を表すのがヘタ」な女性であるという結果にはなる。不毛サインに多い女性は自分の「女心」に気がついていない場合が多いので、人生において恋愛の回数も少ない。
では「女心」とは一体何なのであろうか・・・

男女平等な社会が謳われる今日、女性の警察官(自衛官)やタクシー運転手もいるし、男性の保育士や看護師も今や当たり前であるが、一時代前は少なかったと思う。
女性が女性であることを生かす仕事としてちょっと前まで看護師は、「看護婦さん」と呼ばれていた。「白衣の天使」である。病気で気弱なときに、優しく接してもらえれば、勇気100倍になる。では、「白衣の天使」は「女心」が職業に表れているのだろうか?それは「女心」ではなくて「母性」である。弱っている者をいたわるお母さんのような優しい気持ち…もしくは、「ヒューマニズム」的な愛であろう。
母性も西洋占星学では豊穣サインの表すところで、「女心」と「母性」は紙一重なのである。

愛する対象の世話を必死で焼いてしまう、相手に対してできることはないのか自分より優先して考えてしまう、女性は、愛する男性には「女心」を、自分の子供には「母性」を注ぎ込むのである。
豊穣サインの女性の愛は男性にとって解りやすいが、不毛サインの女性の愛は解りづらい。
豊穣サインは一度愛し始めると片思いであろうがひたすら続けてしまう。一方不毛サインは片思い期間が短く諦めが早い。「女心」が少ないため無駄を避けるのである。どちらが幸せなのかは判らない。

嫁いで子を儲けることが女性の仕事の一大事だった昔と違い、女性も男性と同等に、もしくは女性ならではで、社会貢献ができる世の中になった。ではなぜ、そうなったのか…?サイン<聖と俗>に書いたが、男と女は生物学的に近づいているのである。男であることと女であることの次元上昇であるとも言える。
それでもやっぱり、「女心」は顕在だ。

趣味の映画はほとんどSFしか観ないし、なにせ愛読書がゴルゴ様であるが、不毛サインと豊穣サインを持っている私は、現在独身である。
友人のM子は、バリバリ不毛サインの独身。韓流ドラマも大好きなMちゃんは、豊穣サインに多い恋多き独身である。
MちゃんにいつもSF映画を付き合わせるので(M子だと解説が必要)、Mちゃんの好きな分野の恋愛映画にも付き合いたいと思うが、時間の無駄だと思っていた。

アメリカの人気テレビドラマ「Sex and The City」が映画化され今年秋(2008年8月23日)に公開される。
ニューヨーク・マンハッタンを舞台にした4人のイケテル独身女性の愛とセックスの物語である。Mちゃんに映画公開までに「シーズン6(1話30分が約100話もある)まで全部見てね」と念を押され、ツタヤ通いが始まった。
いくつもの本物の人生を視ている私にとって、作り物のテレビドラマは余程、辻褄が合っていないとチャンチャラ可笑しい。
「Sex and The City」では、4人の女性の「女心」がそれぞれ特徴を持って描かれている。彼女達は皆、仕事を持っており、始めから男性に就職(専業主婦)することを目的としていない不毛サインのお手本である。
ニューヨークと東京は似ている。深夜の街を女性が闊歩している姿は危険と自由を感じさせる。

依頼者の多くは、結婚したら仕事を辞めて子供が欲しい、と望むが、結婚しても子供を持たず仕事を続けたい、結婚に向いていないかも、そういった自覚のある女性も増えてきた。その多くは不毛サインである。
でも不毛サインであっても恋愛はした〜い!
そんな「女心」の研究と実例に「Sex and The City」はお奨めで、セックスシーンも強烈な恋愛ドラマである。
まだシーズン4までしか観ていないのだが映画公開までには制覇したい。観るなら字幕と日本語吹き替えの両方が面白い!たまに真逆の翻訳があるのだが物語には矛盾がなく男と女の学びも多い。