上野国立博物館の運慶展に行って来ました。
11月とは思えない日差しの強いお天気で入場まで60分待ち、並んでいる間に「日傘」貸出のサービスがありました。
日本全国の仏閣から貸し出されて集まった運慶さんの仏像たちは圧巻でした。
大日如来さま、阿弥陀如来さま、観世音菩薩さま、勢至菩薩さま、地蔵菩薩さま、四天王さまたちが多く見受けられる中、どれも生きておられるようにリアルなのですが、興福寺からの無著菩薩立像、世親菩薩立像、は珍しいお名前とあまりに人間に近い菩薩さまなので不思議に思いました。
家に戻るとちょうど頼んでいた「大法輪11月号」が届いています。
「大法輪」を読むと運慶さんの特集があって、無著菩薩さまと世親菩薩さまは兄弟で(兄が無著、弟が世親)唯識の思想を大成させた北インドに実在した僧侶だと解りました。
生きながらにして菩薩になった人間だったのです。
その表情からは、憂いに満ちた悲しみと慈愛に溢れています。
「菩薩行」と言いますが、人間が菩薩行を行うことは出来ます。
菩薩行には、個人の犠牲が伴うこともあったと思います。
「犠牲」という感覚を忘れて慈愛のみの行いになっていくのが真の菩薩行なのでしょう。
しかしこのカオスと化した現代では「菩薩」の心を持ちつつも犠牲をなくして、菩薩行を行っていくことがまず「人間」としての心得なのだと思います。
博物館内は大変な混雑で説明書きを読むにも一苦労でした。
久しぶりに12000歩も歩きました(笑)
平日の館内は、高齢者で溢れかえっています。
日本の高齢者パワーを感じた日でもありました。